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Running with Kenyans 〜最後の裸足ランナー〜

Running with Kenyans 〜最後の裸足ランナー〜

裸足の講習をやってから仲良くなったトップ画像左側のアン。とても貴重な体験を話してくれたのでここでシュアしておきます。

アンが本格的に走り始めたのは2007年頃。シューズを履く人が急激に増えている中、彼女は田舎で育ったという事と、貧しい家庭で育ったという事もありそのまま裸足で競技する事に。そもそも裸足で走っていて何か問題があったわけでもないのでシューズを履く必要性も感じていませんでした。

本格的なトレーニングを始めたアンはどんどん速くなり、すぐに頭角を現し全ケニアクロスカントリー選手権で4位に入り2010年にポーランドで行われた世界選手権代表の切符を手に入れる。(世界選手権13位)

クロスカントリーはフルマラソンに比べるとスポンサーがつきにくいという関係があるのか、彼女の所にはスポンサーの話しが来なかったためそのまま裸足で世界選手権を走りました。

2010年って結構最近。そんな最近まで世界選手権で裸足で走っていたランナーがいたとは。しかも、この時同じくケニア代表で彼女の友達ももう1人裸足で出ていたみたいです。 (その方は6位。恐らくそれより速いケニアの選手はスポンサーがついていたと思われます)

当然周りのランナーは彼女達が裸足で走っているのに気づき、ビックリして特に裸足で走る経験の無い欧米系の人たちから

”なんでシューズ履かないの。危ないよ!”

”絶対シューズ履かないと駄目よ!”

”ありえないわ”

”あなた狂ってるわ!”

など、ありとあらゆるネガティブなコメントを一気に浴びる事に。記事としても“crazy runner”的な感じで写真を撮られ掲載されたそうです。裸足で走るなんて凄いね、的なポジティブな事を言われる事は一度も無かったみたいです。

元々シューズが必要だと思った事が無かったアン。でも裸足で走る事がいいことなんだという事も知らず、単純にシューズを履かなきゃいけないんだという気持ちにさせられたそうです。そして、裸足で走る事が悪い事で、恥ずかしい事なんだって思う様になったそうです。

これがまさに“洗脳”っていうやつですね。

そして帰国後無理にシューズを履く様になり、その世界選手権が彼女にとって最初で最後の世界選手権になってしまったという。。。

裸足で走っていた時は一度もケガをした事が無かった彼女がシューズを履き始めてから色んな所に故障がで始め思う様にトレーニングが出来なくなり。そして今もなお故障していて完全復帰に至っていないという。

また、アンが言っていたのは、自分の裸足ランニングの話しを聞いてから確かに裸足で走っていた時はあんなに軽い走りをしていたのに、あの走りがどっかへ行ってしまったわ。 と話していました。

実はトップが象左の彼女もまた田舎育ちで裸足で育ったランナー。彼女はまだ17歳。トレーニングをするためにニャフルルに来たのですが、同じく裸足で育った彼女もシューズを履く必要性も感じていなかったのですが、今はケニアでも裸足で走るなんてあり得ないっていう雰囲気になっているため、トレーニング始めて間もなくシューズを履き、そして彼女もまたすぐに故障をしているという。

これってたまたまなんでしょうか? 研究をしている課程で知った”裸足走っているランナーに(裸足で育ったという事も含み)現代人が抱えている様な故障をする人はいないという内容。 これをまさに象徴するかの様な。

そして彼女達から、

“本当にニャフルルに来てくれて感謝しています。私達みたいな人は得に一昔までは結構いて、でも誰も裸足で走る事がいいことなんて知らないんです。お金が無いっていうただそれだけの理由で裸足で走って来ただけなので。 でもあなたの話しを聞いていると、確かに全てが辻褄が合うんです。

もうシューズを履いてからかなり時間も経ってしまっているから昔の様にいきなり全部裸足ってわけにはいかないけど、もう一度裸足で一からトレーニングしてみます。 本当にありがとう。”

と最後に言われました。

勿論アンが裸足で世界選手権レベルのレースで走った最後のランナーかどうかは分かりませんが、思っている以上にまだいるのかもしれません。ただ、そういった選手がいたとしてもすぐに周りのプレッシャーに負けてシューズを履く様になってしまうみたいですね。

というわけで裸足ランニングプロジェクト、加速せねば。こういった選手が完全に消える前に。

自分がずっと言い続けている、幼少期の裸足教育、大人になってからの定期的なメインテナンスとしての裸足ランニングの重要性を理解して頂ければ幸いです。

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全てのランナーに裸足ランニングをトレーニングの一部としてでも取り入れてもらい、効率良く怪我をしない走りを身につけてもらいたい。ただそれだけです。

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