裸足で走った方がケガが減る。BORN TO RUNによってそういうイメージを持った人達が実際に裸足やベアフット系シューズと言われるもので走り、実際にはケガが増えるんじゃ無い?的な結果で幕を閉じてしまっています。
これはあくまでシューズでずっと育って来た人達が、順応というステップを省いた時に起る事。勿論自分も研究から入って、裸足の方が理論上ケガが減ると思っていきなり結構な距離を走って大変な事になっていたのを覚えているので、あるあるなのですが。
でも普段から裸足で走っている、もしくはいた人達はどうなのか。
1 ハイチのランニングコミュニティー
ハイチでは、今から30年ほど前の時点では裸足ランナーとシューズを履くランナーが半々ぐらいいたみたいですが、ケガの報告は全てシューズを履いているランナーで、裸足で走っている人達からのケガの報告は無かったという。
2 アメリカのクロスカントリー全米チャンピオンのチーム
ナイキフリーの開発秘話という自分が書いた記事にも出て来た内容ですが、彼らはナイキがスポンサーしていたにも関わらず裸足でのトレーニングを積極的に取り入れていたという。その理由が裸足を取り入れた事で故障者が減り、練習量を増やす事が出来、結果高いパフォーマンスを発揮する事が出来た
2 ケニアのランニングコミュニティー
ここがまさに自分が今行って来たばかりなので。今の自分が知り合った選手の殆どは大体15歳ぐらいからシューズを履き始めるのですが、中には20歳前後までそのまま裸足で走り続けた人達がいます。そして、彼らが言っていたのは、裸足で走っていた時に棘が刺さったりなどを除けば、いわゆるランニングの故障というのは経験した事が1人もいないという。でも何故かクッションがケガから守ってくれると思っていたので、彼らが履いている様なシューズを履く事でケガが減っていると思うか聞いた所、全員一致で実際には増えていると思うと答えていました。これは長年コーチをしている人達も全く同じ証言をしています。
こういう証言を元に裸足で走った方がケガが減るんじゃないのか?という仮説を立て、研究ってされるのではないでしょうか。しかしその研究が上手く行っていないのは、それだけ裸足で育つ人がいなくなってしまったため。順応というプロセスを入れると他の要素が絡んでくる可能性が高くなるため、裸足で走った事でケガが減るとは証明しにくくなるのだと思います。
何故自分が今ケニアで大きなプロジェクトを立ち上げる事になったのか。それはケニアの人達は説明すればまだ分かってくれる人の割合がかなり高いため。全く同じ話しをした時に、日本で言えば年配の人達が、“本当はそうなんだよね”的な発言をする人の割合が多いのですが、ケニアでは今の若い選手でも説明さえすれば理解してもらえます。何故なら経験しているから。タイで理解してくれる人が多いのも同じ様な事が言えると思います。裸足で走った事すらない人達にはあまりにも非現実的すぎるので。自分程多くの国で裸足ランニング教室をやっている人はいないと思います。色んな国にいって、全く同じ事を伝えているのですが、改めて日本はハードルが高いなって思っています。でもハードルが高いからこそ頑張れているのかもしれません。
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