着地の位置について:
よく、“裸足=フォアフット着地、シューズ=踵着地” という認識をしている方が多いと思いますが、必ずしもそうなるわけではないです。当然シューズだろうと裸足だろうと、どこで着地するかはその人次第です。ただ、メディアのインタビューなどでは分かりやすく説明するためにそういった説明になってしまう事もあります。事実、今まで様々なインタビューを受けて来ましたが、殆どの場合、着地の位置だけにフォーカスをされています。実際はどこで着くかよりも、どう着くか(接地感)の方が大事だと思います。
裸足で一番大切なのはその人がもっている感覚に頼る事。色々やってみてしっくりくるものが見つかればそれでいいかなって思っています。ただ、その感覚が分厚いシューズを履いていると、わからなくなってしまい、膝や腰などに負担がかかる走り方をしていても感覚が鈍いために気づかずにそのまま走り続けてしまう人が多いのだと思います。 そういった理由で、研究でも証明されているように、シューズを履いて走るランナーの膝などにかかる負担が大きくなっているのだと思います。
そういった事を踏まえ、自分が何故フォアフット着地を推奨するか?
1.足裏感覚(メカノレセプター)
裸足で走っているとしっくりくる。また、よりスムーズな接地をしようとした結果、フォアフットが先に着く。なので、フォアフットで着こうというよりは、結果的にフォアフットが着いていたという感じだろうか。疲れてくると踵から着くことも増えますが。。。
2.物理的な足の構造
これは単純に物理的に考えて、前に安定して速く進んでいくには横に安定、縦に不安定なのが理想。 足をみると踵は縦に長く横に細い。フォアフット部分はその逆。衝撃吸収をすることを考えても、横幅が広い方が衝撃は吸収しやすい。自分の足の形見てみましょう!
3.衝撃吸収
高いところから裸足で前方に飛び降りてみる。100%の人がフォアフット着地をする。動物もみんなフォアフット着地。衝撃を吸収しようって体が自然に反応する。即ち、衝撃を吸収するにはフォアフォット着地が理想的ということ。
4.バネ(プライオメトリック運動)
これはまさに体が持っているばね。筋肉(や腱)を短時間に伸ばしてそれが戻ろうとする力を利用する。 このプライオメトリック運動もフォアフット着地でないと身体が弾まない。
5 捻挫
足首の安定度をみてみよう。 フォアフット着地の状態だと足首が
固定され横にひねりにくくなる。 裸足だと地面への反応速度も速くなる。
なので捻挫もしにくくなる。
6 足底腱膜(アーチ)
この部分、かかとから着地するとアーチが衝撃吸収として機能しない、もしくは動かない。
7 レオナルドダビンチの言葉
“The human foot is a masterpiece of engineering and a work of art.” 足は本当にうまくできているのである。
8 エリート選手の着地
世界トップクラスの東アフリカのエリートランナー達の殆どはフォアフットもしくはフラット接地になっている。
個人的に凄くきれいな走りだなって思っているTirunesh Dibaba選手の走り。
この動画から見てほしいのが着地の瞬間。 やや前傾、
すごいのが着地の時に足が綺麗に身体の真下に入っている事。そしてバネはあるけど
走り自体がすごくコンパクトにまとまっているところ。着地の位置が体に近ければ近いほどブレーキが減る。
接地の位置が体から遠いほど踵から着きやすく、近ければ近いほどフォアフットがしやすい、その中間がフラットといったところでしょうか。
さて、こういった走りの事を言うと、筋肉や腱に負担がかかりすぎるのでは?その通りです。ただ筋肉は鍛えれば強くなる。膝などの関節自体は強くならないというのも考えるに値するのではないでしょうか。また、証明はされていませんが、東洋医学系の先生によく言われるのは食事。あまり公にかけませんが、みんながよく食べている白砂糖。 筋肉を硬くし、肉離れしやすくなってしまうかもしれません。これは個人差もあるので肉離れしそうな方は試してみてはいかがでしょうか?甘いものはフルーツなどからも取れますから。
というわけで着地に関する考察でした。
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以前吉野さんが言っていた、
『研究データ < 自分の感覚』
裸足をやる上で大切な方程式
まさにこういうことかなぁと思いながら
楽しく読ませていただきました。
自由に行っていいですか?(違
ヽ(´▽`)/
コメント は、はやっ! 笑) そう、感覚が何よりも大切だし、楽しんでやること。だって、実際トレイル行ったときは何も考えずに楽しめるじゃないですか? あの感覚ですかね。 完全自由に行っちゃってください!
対決構造にしないで〜
なんでもいんですから(笑)
ただテレビ向きにわかりやすいから・・・という理由で明確化するのだけは反対です。持っている、育てた骨格、筋肉によっては、フォームの大変更はかなりの負担なはずですから。
わたしが考える究極は、踵というよりアウトエッジ接地の『あおり足』です。
http://asinaka.blog89.fc2.com/blog-entry-23.html
踵からといっても、踵の真ん中でガンッと接地ではなく・・・ボールを垂直に落とすのと、投げたボールが落下して転がるのでは動きや衝撃がちがいますよね?
『エチオピア人の1万メートルのレース』の動画 0:44あたりから。
フォアフットでも猫のように指が同時にペタッと接地しておらず、小指球側、アウトエッジから順番に接地しているのがよくわかる映像です。
ホントは直接お会いして、解説した方がすぐにわかるのですが・・・近いうちに飲みに・・・お会いしたいですね(笑)
では、一言でこれ全部語れますか?
といいたい。基本ポイント一つに
絞って言わないといけない状況で。。。
それはさておき、
勿論フォアフットっていっても
全体がピタッとつくわけではないのは
わかりますが、それは自然にそうなる
ので(今まで見てきた限り)そこまで
意識はいかなくていいだろうって
思っています。 基本は自然なまま。
ただ、踵に明らかに重心が置かれて
いるシューズで走っていると。。
ってきりがなくなるのでやっぱり
ネット上ではこのへんにしておきましょう。
ゆっくり話す機会があればぜひ。
ただ、自分はアメリカにいたときに
周りにいた裸足ランナーの話とかを
かなり聞く機会があったので
その影響を大きく受けています。
なんてったって裸足でフルマラソン
走っている人たちですから。
自分はとてもそこまではまだ
できません。
Twitterではご挨拶させていただきましたが、こちらにもお邪魔しました。
色々な経緯でベアフットランニングには興味があったのですが、昨日ようやく妻と実際に「裸足ランニング」をやってみました(NHKの放送が引き金!)。百聞は一見にしかずといった感じで、気持ちよさが足裏からふわーっと入り込んできて、もう衝撃の感動でした。
私はもっぱらトレイルレースの出場が多いのですが、品揃え豊富になったソールの固いトレイルシューズにはちょっと違和感がありました。そもそも走路の岩や根っこを足裏で感じられないのが不安で、今年はソールの薄いロードレース用のシューズで日本山岳耐久レースに出場。安心して走ることが出来、ますます薄いソールに惹かれている所でした。
今日はアマゾンで「裸足ランニング」も注文してしまいました。妻共々、すっかりはまりそうです。
これからも勉強させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
ハリ天狗さん
あ、今Twitter返しましたが既に試していたんですね!
11月末にビブラムがTrekspot っていうトレイル専用シューズ出します!これは凄い期待して下さい!!
自分はあくまでバイオメカニクスのみ。
知識が偏っているので、いろんな人の
意見を参考にしつつも自分の感覚を
(気持ちいいとかの)大切にして
頑張って下さいね!
最後の動画のエチオピア女子ランナーの走りったら! 後ろに蹴る時に、ほとんど踵がお尻に付くぐらい折りたたんでる!下半身がバネ仕掛けのマシーンみたい!
リバサイさん
カタカナになってる! w
なんか凄いですよね。
あれぐらい速く走れるようになりたいですよね。
バネもきかせて。
吉野さん、初めまして。大阪在住の生島と申します。「裸足ランニング」の本、大いに参考にさせていただいております。
ランニング歴2ヶ月、FiveFingers歴1ヶ月の若輩者ではありますが、吉野さんが「エチオピア人の1万メートルのレース」で指摘されている「身体に対する着地の位置」が一番大事なポイントではないかと思うのですが、いかがな物でしょうか?
身体の真下の着地だと、身体に向かってくる「ブレーキ力」も軽減されていると思います。となれば、フォアフットであろうが踵着地であろうが、あんまり関係ないのでは。ただ、その位置だと自然とフォアフットよりになると思いますが。
発想を転換すれば、フォアフットでの着地を意識すれば、身体の真下での着地が可能になるのでは。
瀬古さん、宗兄弟のフォームの映像を見た事がるのですが、見事な身体の真下での着地かつフォアフットでした。
かの Nature の論文ですが、アブストのみで中身は熟読していないんですが、着地の定義ってどこまで厳密なのでしょうか?見た感じだけのような気がしたのですが。それなら検者の主観が入ってしまうので、スタディーとしては微妙だなと思います。「身体に対する着地位置の距離」との比較ならより客観的なデータになるのではと思うのですが。
メソッドが微妙なのに、なんで Nature に掲載されたんでしょうね?Nature の評議委員のなかにランニング時の故障に悩んでいる方がおられたのかもしれませんね。
生島さん
おっしゃる通りです。何だろう、全部ひっくるめるとそうなるんです。それは自分が研究してきたからっていうより、体がそうなるみたいな。
裸足で実際に走ってるからこそわかるてきな。
それを純粋に身近な人に伝えて行きたかった
だけなんです。
表現の仕方がまずかったのかなあ。
また何か言われても困るのですが、
しかも書き出すと長くなりそうで。。。
明日は台風でイベント中止になりそう
なので書けるかも!
吉野さん。
マスコミに対する表現の仕方としては、問題ないと思いますよ。逆に言えばこれ位のインパクトがないとマスコミは食いついてこない。
なんせ、世の中は「踵着地」が当たり前で議論の余地なし、という雰囲気ですから。いくつかのランニング指南書を読みましたが、すべて考察も何もなく踵着地。唯一の例外が金哲彦さん。彼は「足全体での着地」を述べられています。
なんせ、この「議論の余地なし」という風潮に風穴をあける、というだけでも素晴らしいことです。細かいことはそれからでも十分だと思います。
「フォアフット」という意識を持つだけで救われる脚が何万とあるはずです。非常に価値ある仕事だと思います。是非とも頑張ってください。応援しております。
しかし、なぜにここまで「踵」主義なのでしょうか?瀬古さんや宗兄弟という素晴らしいお手本があるのに。なお僕が見た映像はこれです。
http://www.youtube.com/watch?v=8BQTQPN-OVg
個人的には「フォアフット」「あおり足」ともに興味あります。理にかなっていますので。ただ、どっちが自分に合うかは分かりません。全く違う方法もあるかもしれませんし。ぼちぼちと試していきます。
ところで、金哲彦さんの推奨する「足全体での着地」ですが、これって「フォアフット」に類似するのでは、と思っています。というのは普通のシューズは踵が上がっていますよね。ということはシューズの底全体で着地した時、足そのものは踵が上がっている、つまり「フォアフット」ではないかと。
逆に言えば、普通のシューズの時、あまり「フォアフット」を意識しすぎると、足が自然な位置よりも底屈しすぎて足を痛める要因になるのでは、と思うのですが、いかがなものでしょうか?
すいません、上記コメント、生島のものです。
生島さん
えっと、話し始めると長くなりそうなんで
明日書けたら記事にして書いておきますね。
フォアフットでも踵でも一般的なシューズだと
怪我を促進すると思っています。
根拠は? また機会をおって。。。