裸足感覚シューズの代表的存在と言えば、ビブラムファイブフィンガーズ! と言いたい所ですが、矢島経済研究所の調査によると売り上げの一位はぶっちぎりでナイキフリーだそうです。まあ、ナイキフリーは良く見かけますからね。ビブラムは徐々に増えて来ている、そんな感じでしょうか。
実際に今ほぼ全メーカーから出て来ている裸足系、もしくはナチュラル系シューズですが、一番最初はナイキフリー。その後にフォアフット着地を推奨したニュートン、そして本当の意味での裸足シューズ(底が本当に薄い)の出始めがビブラムといったところでしょうか。
というわけで今日はナイキフリーが開発された本当の理由を読みながら、自分の意見を交えて書こうかと思います。赤字で書いているのはナイキフリーの開発理由が書かれているサイトから抜粋したものです。
ナイキ社は靴のメーカーなので、裸足で走ることを提案しているわけではない。その代わり、『ナイキ・フリー』というシリーズのランニングシューズとトレーニングシューズを販売しているのだ。ナイキ・フリーの設計コンセプトは、裸足で走るときの動きを模倣することだ。
ここで、裸足ランがいい悪い関係なく、裸足ランで走る事を提案していないっていうのを覚えておいてください。
ナイキ・フリーが作られるきっかけとなったのは、ナイキ社の製品部門スタッフが『イノベーション・キッチン』チームに提出したデザイン指示書だ。製品部門からの要求は、陸上選手向けの新たな軽量トレーニングシューズだった。ナイキ社のデザイナーたちは選手やコーチから話を聞く過程で、当時スタンフォード大学の陸上コーチを務めていたビン・ラナナ氏に出会った。スタンフォード大学のプログラムや同大学でのラナナ氏の成功について話していると――2002年には同氏が率いた男子陸上部が全米大学体育協会(NCAA)の屋外の大会で1934年以来となる総合優勝に輝いた――ラナナ氏から一風変わったトレーニングの話が出た。同氏は選手に裸足で芝生を走らせていたのだ。
これは結構有名な話で、全米のクロスカントリーで優勝したチームが実は裸足でトレーニングしていたという。因みにここで知っておいて欲しいのが、スタンフォード大学はナイキがスポンサーについていて、スポンサー受けているのでシューズは無償提供されているにも関わらず裸足でのトレーニングを本格的に入れていたという事。その理由が下記に書かれています。
ナイキ社の先進製品担当上級技術者は、「ラナナ氏は、この方法で選手の継続的な強化と健康増進と怪我の防止が可能になったと話した」と振り返る。「故障しにくくなったことで、練習量を増やすことができた。このトレーニングが選手に力を与えていると、ラナナ氏は確信していた」
これ、凄く重要ですよね。全米のクロスカントリーを優勝に導いたコーチが裸足で走る事によって故障しにくくなり、練習量を増やせるって。これってランナーにとってはとても大切な事。
しかし、1つだけ問題があった。
「われわれはこう言った――『それはおおごとだ、コーチ。当社の靴を脱いだらよくなるなんて』」と、ハットフィールド氏は振り返る。靴を投げ捨ててしまうのでは、ナイキ社の商売はあがったりだ。それでも、ハットフィールド氏とイノベーション・キッチンのメンバーは、ラナナ氏の意見にこだわり、やがて大がかりな生体力学研究プロジェクトへと発展させた。裸足で走ると何が起きるかを正確に知ることが目的だった。
ここに今の世の中の大きな問題がある事にお気づきでしょうか? 人にとって何がいいかではなく、どうやったら物が売れる様になるか。トップ選手が裸足で実際に走って故障がなくなり、速く走れる様になるってなっては困るわけです。なので最新の裸足感覚トレーニングシューズとした方が物も売れる。しかも新しいコンセプトである。そもそも裸足の効果が認められているのにわざわざという気もしますが。 本当は人の動きを先に見てから、それに必要な物を作るのではないでしょうか。。。どうやったら売れるかではなく、人にとって何が必要か。ここが現代が逆転してしまっているので色んな問題が起きて来ているんだと思います。
ナイキ社の研究者たちは、靴を履いていないときの体の反応を正確に知るために裸足で芝生の上を走ってもらった。被験者の動きを高速度ビデオカメラで記録する。さらに、極薄の圧力センサーが足の裏に付けられ、接地時の衝撃が測定された。この実験を行なった結果、裸足で走る際の生体力学をこれまでにないほど総合的に解明できた。「芝生の上を走ったことにより、非常にユニークな圧力のパターンが見られた」と話す。「あらゆることが足首と足で起こっており、この部分に変化が見られた。この部分の動く範囲が大幅に増えていた。まるで航空機が滑らかに着陸するときのようだった――彼らは足全体をとても自然に使っていたのだ」
これもとても大切な事。接地の感覚が変わるという事が。一般ランナーが着地がドシンとするような感じで着地するのに対して、裸足ランなーは柔らかく着地する。足の機能をしっかりと使って。(足の可動域が大幅に増えたというところから)
そして、更に重要な事は、リバーマン博士が2009年に裸足で走ると衝撃が減るというデータを出して大変な事が起きたが、実はナイキフリーが発売された2005年より前にナイキは既にこの事実を知っているのである。データとしてももっているんです。 都合の悪いデータは出さないんですよね。
難題は、生体力学的な強化につながる、裸足で走るときの状態を靴に応用することだった。つまるところ、従来のランニングシューズの設計コンセプトとはまるで異なっているからだ。
そう、裸足での走り方と、シューズありきの走り方は根本的に違うのです。
ハットフィールド氏は、「当社の既存の靴は、何かを踏んでも大丈夫なよう足を保護したり、走る際の衝撃を和らげたり、安定性が得られるように設計されている」と説明する。「これらの機能をすべて盛り込むと、今度は動きが大幅に制限される」
シューズの大きなデメリットですよね???
ナイキ社はエレガントな方法でこの問題を解決した。靴底にいくつも深い切り込みを入れて、普通のランニングシューズとは比べものにならない柔軟性を実現したのだ。この結果、ナイキ・フリーで走る感覚は他のトレーニングシューズとは明らかに異なるものとなっている。1歩進むたびに足がはるかに自由に動くのだ。着地の失敗から足を保護するパッドが入っているが、これが次の1歩を柔らかく促しているように感じられる。ハットフィールド氏は「まず、履いた人に怪我をさせる可能性があるものは売りたくなかった」と話す。「そして、完全な裸足と当社の最も安定性が高い靴の中間にすることで落ち着いた」
着地の失敗からパッドを入れている!!! これどういう意味なのか!? 踵着地を失敗だと見ているのか。だから失敗して踵着地した時にも保護してくれるクッションをいれておく。そういう事なのか?
それはさておき、ナイキフリーは裸足と一般的なシューズの間をとったのだ。因みに、こういう中間的な裸足系シューズを作ったのはナイキ、アシックス、ミズノである。 何か共通点感じませんか?
しかし、長年にわたって技術革新に力を入れてきたナイキ社でさえ、靴の目的を根本から考え直すナイキ・フリーのプロジェクトに、当初は社内に反対意見もあった。NSRLのピシオッタ氏は「私はホワイトボードに『道徳経』(老子)の一節を書いた」と振り返る。「『自分が知っていることを忘却せよ』という言葉だ。私は、これが比類のない考えであること、人は起こっていることすべてを本当に知っているわけではない、ということに気づきはじめた」
これって今までの事が間違っていた事を認める様な発言ではないのでしょうか? 色々やってきたけど、やっぱり裸足が一番良かったって言う。ナイキが良い悪いはさておき、トップの人が【人は起こっている事全てを本当に知っているわけではない】と考えている事は本当に重要な事ですね。
ハットフィールド氏も、「自分たちの力を実証することが絶対に必要だった」と話す。「社内には懐疑的な意見もあった。このことが理由で、ナイキ社がこれまでに商品化したコンセプトの中で最も多くの試練を課されることになったのだろう」
ナイキ・フリーは、選手が唯一の練習用シューズとして使用するのではなく、(たぶんナイキ社製の)他の靴と併用することを想定している。ナイキ・フリーで足を強化し、その力を従来の設計の靴で発揮できるようにすることが目標だ。
「足にとってのトレーニングルームのようなものだ」と、ハットフィールド氏は語った。
あえて、この部分は自分で考えてみてください。本当にいい事を自分で考えて出来る様になりましょう。
参考になりましたでしょうか?ブログランキング参加しているので、参考になったという方は是非下のマラソンアイコンをクリックして応援してください!
[…] 【重要】ナイキフリーの開発秘話 全ランナー必見! http://hadashirunning.com/?p=1203 […]
[…] 併せて、この方の名エントリーもお読みください。 【重要】ナイキフリーの開発秘話 全ランナー必見! […]
情報ありがとうございました!
もう少し簡潔に書いたほうが良いんじゃないですかね。
何を言いたいか熟読しないとわからない。
そして熟読したい人はそう多くない
そう思う人もいるんですね!